銀の匙
「銀の匙」って知ってます?
中勘助って人が書いたお話なんですけど、自分の子供の頃、というかむしろ幼児時代をすごく詩的にというか幻想的にというか、やけに水々しく書いたお話なんです。
これがとてもキレイで、かなりお薦めできる作品ですから、ぜひぜひ読んでみてください。
(ご近所の旭屋の岩波文庫コーナーにあります。たぶん数百円。)
そもそも、この中勘助、あの漱石の弟子なんですけど、漱石の弟子で良いと思うのは、芥川、寺田寅彦そして中勘助の三人(張り出し:内田百閒)。いずれも直系の弟子なんかじゃないところが偉い。
そこで、だいたい自分なんて幼稚園時代の記憶なんてほとんどありません。
あっても幼稚園のオヤツの争奪戦の記憶(あれはジャムパンだった。しかも半分!)が、
かすーかに残っているぐらいなので、こういう子供時代のすごく鮮明な話をみると、心底すごいなあと思うのです。
そこで、実はてぃーだにも気になるブログが。
「生きること。」さん。
まずタイトルがいいでしょう?
どうも高校生の女性が書いているらしいんですが、何ていうか...
月並みな言い方ですが、感性が鋭いのです。
自分ではぜったい気がつかないし、書けないよな、と思うようなことがシレッと書いてある。
ウチらの年齢になると、心の皮がすでに厚くなっているというか、カサブタが出来ちゃって何にも感じなくなってしまっていることってありますでしょう?
そういう感覚の部分がまだ痛いくらいに敏感というか。
しかし、若くてもそのあたり全然鈍感な人たちもいるので、これはやっぱり「感性」なのかいな、と思うのです。
そこで、この方がまた幼稚園時代の記憶をいろいろ書くのよ。
自分だったらワケもわからず忘れてしまっていたようなことをきちんと記憶していて、ちょっと心が痛むような文章を書く。
いいっすよ。
業務連絡: あっ、無断リンクなんで、ご迷惑でしたら御連絡ください。
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